阪神が負け、星野仙一という男に魅せられた

お友達tanmenさんのコラムを大紹介!

阪神が負け、星野仙一という男に魅せられた - ネタリポ

2003/11/14UP

 今日は千歳のお友達、tanmenさんのコラムを紹介させていただきたいと思います。

 いや、このコラム、tanmenさんがとあるところで紹介されていたんですが、拝読させていただいたところ、見事なできばえではないですか!

 この作品はもっと世に広く公開するべきだ!
 と思った千歳は、tanmenさんの許可をいただき、このたびC言葉内で、このコラムを紹介させていただくことにしたのです。

 そんなわけで、tanmenさんのコラム、
阪神が負け、星野仙一という男に魅せられた
 をどうぞ!


 2003年10月27日、福岡ダイエーホークス王監督が宙に舞った。4年ぶり2度目の日本一の瞬間であった。
 その日、ワタクシは帰りが遅かったため、勝負の結末を嫁さんからの携帯メールで知ることになる。
 今回の日本シリーズ、ワタクシは阪神タイガースを応援していた。阪神 星野監督がこれまで選手、監督を通じて一度も日本一を経験したことがないとテレビで聞き、またこのシリーズをもって監督を勇退すると聞いたから。そんなわけで、メールで阪神の負けを知らされた時に、残念だったなぁと思った。しかしその直後、ふと我に返り、冷静にこの日本シリーズを振り返ってみると「星野仙一」とはなんて大きな男なのかと実感させれたのである。
 振り返ってみよう。第6戦の先発は、第2戦でノックアウトされた伊良部。星野監督は「第6戦で決める」と公言していただけに、おや?と思わせる采配であった。がむしゃらに勝ちにこだわるならこのシリーズで好投しているムーアだろうとの見解が一般的だったから。純粋に阪神を応援したいただけに、初回で崩れる伊良部を見てワタクシも首を傾げた。そして第7戦。先発はムーア。マスコミは「このシリーズ、井川で始まり井川で締める」なんて見出しを出していたが、ふたを開けてる見るとエース井川ではなくムーア。状況的にはエース井川をぶつけ、ムーア、吉野、ウィリアムズと左を並べる継投でも良かったはずなのに。
 シリーズが終わってようやく気が付いたこと。それは星野監督は最終戦まで2003年のスタイルを崩さなかったということだ。帰宅後、ワタクシは、結果を知りつつも、ヤフーで試合の経過を確認し、登板した投手を確認してみた。ワタクシの思った通り、というか気づいた通りこの試合、中継ぎでも井川が登板することはなく、レギュラーシーズンとなんら変わらない継投策を取っていた。
 では、なぜ星野監督はレギュラーシーズン同様の戦い方を崩さなかったのか?ワタクシは思う。星野監督は最後まで、タイガースというチームを私物化しなかったのだと。このシリーズを最後にユニフォームを脱ぐのだから是が非でも日本一を勝ち取りたいと考えていたら、ローテーションを無視して、おそらく第6戦の先発はムーアだったはず。野手で言えば調子の良くなかった赤星もスタメンから外しても良かった。
 しかし星野監督はそれをしなかった。スタイルを崩してまでして日本一を勝ち取ることは、自分の歴史にとっては良くても、今後の阪神のためにはならないと考えたのではないかと思うのだ。

 阪神はちょっと前まで、万年最下位のチーム。今年ようやく悲願のリーグ優勝を果たしたが、常に優勝争いをするチームになるのはこれからが重要だと思うのだ。スタイルを変えて今年日本一になることは、自分が退いた後の阪神のため、強いては長期的に見ての「常勝チーム阪神タイガース」を作っていくためにならないと星野監督は考えたのだろうとボクは思う。
 また同時に星野監督は、この2年間で築き上げた信頼関係を大切にしたのだと思う。第4戦の金本のサヨナラ本塁打の時の監督と金本の抱擁シーンを見てもわかるように、選手と監督はひとつになっていた。監督は選手を信じ、選手はそれに応え、結果、セントラルリーグ優勝を成し遂げた。第6戦の伊良部先発はリーグ優勝に貢献した彼の功績に対する敬意でもあったのではないかと思うのだ。

 日本シリーズは短期決戦であり、レギュラーシーズンでは先発で起用していた投手をリリーフで使うなど短期決戦なりの戦い方があると言われる。しかし理想的な戦い方は、レギュラーシーズン同様の戦い方で4勝することであるとワタクシは思うのだ。スタイルを変えずに勝利を収めれば、それは真のチームとしての実力であり、当然来シーズンにつながり、その年限りの強さで終わらないと思う。
 今回対戦した福岡ダイエーホークスもほんの数年前まではパリーグの万年最下位の球団。それが今年4番打者を怪我で欠いても、きっちりの他の選手が仕事をし、有望な新人も現れ、着実な試合運びで今年の日本一のチームとなった。そう、レギュラーシーズンとなんら変わらない戦い方をしてだ。 さて、ここまで長々と書きつづってきたが、本当のところ星野監督がどこまで考えていたのかはわからない。でも星野監督はそんな志で戦ったと思わずにはいられない。それがブラウン管からでも感じることのできる星野仙一の人間性なのかな。日本一決定の直後の星野監督の表情は満足感に満ちていた。ここに書いたことが勘違いでもいい。でもボクは間違いなく星野仙一に魅せられたのだ。

 来年の阪神に星野監督は居ない。しかしボクはベイスターズファンでありながらも来年の阪神に注目したいと思う。星野仙一の魂が選手たちに心の中に残っていれば、そして選手たちが日本シリーズで負けた理由を理解していれば、きっと来年の阪神は「日本一」という高い目標をもったチームに生まれ変わっていると思うからである。

 野球にはポジションごとにドラマがある。そして監督にも。だから野球は面白いのだとボクは思う。

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Posted by 千歳 at 2003年11月14日 13:17 EDIT
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