寝汗でびしょびしょの布団を干して、俺は仕事に向かった。
「熱帯夜の悲劇 1」と「熱帯夜の悲劇 2」により、クーラーつけっぱなしのまま、汗でびっしょりの布団で寝てしまい、起きたら寝冷えしていた朝、俺は痛むノドに顔をしかめながら布団を干した。
俺の場合、風邪はたいていノドから始まる。
そしてたいてい熱っぽくなる。
この前の5月あたりはかなり酷かった。
なかなか直らなくて、薬が聞いている間は治まるけど、切れたらすぐ痛くなって熱が出て、それですっかり薬漬けになっていた。
こんなに薬飲んでたら肝臓やられちゃうんじゃないかと気が気でなかったものだ。
そんなわけで、このノドの痛みは明らかな危険信号なのである。
早急に手を打たないと、ヤバイことになる。
正味な話仕事は今とても忙しいし、熱出している場合じゃないのだ。
幸い毎日暑い。お日さまカンカンである。
とにかくこうやって布団を干していたら、家に帰ってくる間にはすっかり汗も乾いているだろう。
今夜は良く乾燥した布団で気持ちよく寝られるっていう寸法だ。
布団を干して、伸び過ぎの髪を整え、マンションを出る。
折りたたみ自転車で駅に向かい、満員電車に揺られること45分。職場に着いた。
よし。
今日もがんばって働くぞー!
その日は午後から雨が降った。
仕事が終っても、俺は家に帰る気分になかなかなれなかった。
だって家に帰ったら、見ないわけにはいかないから。
外に干してある布団の事を。
悲しいくらいびしょぬれになって重い、かわいそうな俺の掛け布団を。

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