去年の秋、【パウダービーズクッションと出会った】でも紹介しましたとおり、千歳はパウダービーズクッションを購入しました。

↑パウダービーズクッションのベス
↑購入当時。横になって千歳に甘えるベス。かわいいやつです もともと枕を探している際に見つけ、つい勢いで購入してしまったベスでしたが、あまりのかわいさに抱き枕に昇格(?)、
寂しがりやさんの千歳は、毎日ベスを抱きしめて寝ていました。いちおう今まで使っていた枕もあったし、それが当時のベストポジションでした。
そんなベスとの蜜月でしたが、去年の12月、千歳は横浜に引っ越すことになります。
引越し用の荷物をまとめる際に、千歳は考えました。
「できるだけ、最小限の荷物を持って行こう」
荷物が増えれば増えるほど、引越しは大変になります。
それに横浜にいつまでいるかなんてわかりません。東京の職場を三ヶ月で首になる可能性だってあるのです。
そんな状況の中で、引越しの荷物をできる限り少なくするというのは、非常にまっとうな考えだったと思います。
というわけで、千歳の容赦ない選別が始まりました。
「テレビは、
でかすぎるから置いていこう」
現地調達を目指します。
「布団も
かさばるから置いていこう」
これも早急に現地調達。
「
【幾千の物語】">小説たちも
重いから全部置いていこう」
読み返したくなったら別途親に発送してもらおう。
「マンガも当然置いていく」
これは読みたくなったらマンガ喫茶にGO! GO!
「パソコンは……絶対持っていかなきゃ……」
これ持っていかないと、
C言葉の更新が出来ません。
──以上のような取捨選択をエンマ大王よろしく容赦なく続けていく中で、千歳はついに、それを手に取りました。
「……ベス」
さて、ベスをどうしよう。
……本来なら、ベスは置いていってしかるべき代物です。
ぬいぐるみだろうがパウダービーズクッションだろうが抱き枕だろうが、それはどう考えても「最小限の荷物」の中に入れるべきものではありません。
「……いや、やっぱりお前を置いてはいけないよ。ベス!」 というわけで、千歳はベスを横浜までつれてきたのでした。
「ベス、ここが横浜だよ!」
ベスとの、新生活のスタートです。
新生活を始めるにあたって、まず千歳は布団を購入すべく、近所のサティに赴きました。12月の横浜は、雪とか積もっちゃうくらいの寒さなので、さっさと布団買わないと引越し早々凍死の危機なのです。
寝具コーナーで安い布団を見繕い、購入。その際に、枕の存在を思い出します。
「枕どうしようかなー」
出費は最小限に抑えたいと望む千歳にとって、枕の購入は、無駄な買い物のようにも思えます。
「うん、別に枕はなくてもいいや」
というわけで、枕は買わず、布団を一式買って、その他もろもろの「最低限必要な生活品」を購入し、いよいよ本格的に新生活はスタートしたのです!
で、その夜──
「……なんか寝にくい!」
以外にも千歳、ここに来て繊細な一面を垣間見せます。
はじめての土地。今日住み始めたばかりのアパート。そして真新しい、枕のない寝具──
さすがに、簡単には眠れるものではないのかもしれませんでした。
千歳は傍らで一緒に横になっていた相棒を抱き上げました。
「ベス……」
すまん。
ベスを頭の下に敷き、再び目を閉じます。
「……あ、なんか眠れそう」
形がシンプルでないだけに、多少フィットしない部分もありますが、それでも枕がないのと比べたら全然落ち着きます。やはり枕は大事なのか。
というわけでベス、背に腹は変えられず、枕デビューです。
──あれから月日は流れ、今は7月。横浜でのはじめての夏になりました。
今年の梅雨は長いそうで、ここ数日太陽を見ていません。
空気は徐々に湿り気を帯び始め、ジトジトと寝苦しい季節。
今もベスは千歳の枕として働いています。
そんなある日、千歳はベスが、この7ヶ月の過酷な日々のせいで、すっかり変わり果ててしまったことに気がつきました。

↑現在のベス。くたびれ、変わり果てた姿に……
↑ちなみに、一度も洗ったことはありません。 ──ベス。
千歳は後悔しました。
気付かないうちに、俺がお前をこんなにしてしまったんだね(T_T)
そういえば、もうどれくらいベスを抱きしめて眠っていないだろう──。
ごめんよ、ベス。
今まで、俺の枕になってくれて
ありがとう。
もういいんだよ。
ゆっくりおやすみ、ベス。ベス──
というわけで、急遽千歳は枕を購入しました。

↑低反発枕。人間工学に基づいた、機能的な外観と弾力性。 ああ。
やっぱり低反発枕は、寝心地が違うなあ。ムニャムニャ。